で、青鬼と赤鬼の結果じゃがのぉ・・・
初めはジャムなしで調子良かったんじゃが、
終わりのほうで2度もジャムったんぢゃ😬
それで、このタイムとは凄いんぢゃがなぁ〜・・・😅
赤鬼は・・ノートラブルぢゃった👹
ぢゃが、90斬りには及ばんかったぁ💦💦
22口径ピストルは調子よくて、なかなかじゃむらんのよ♪
でもって60秒を切りよった❣️
これは大したもんだと思わんぢゃろうが、実は凄いことなんぢゃぞぉ〜!!!
ちゅうわけで終わる。
もう疲れきって立ち上がることもでけんわい👹
いよいよ雨が近づいてきたなぁ〜♪
ちびゆき君は、もっと扇いでくれると助かるぜい🌪
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食事会が終わると鬼親子はマクダァナーへと走った。それも以前から目をつけていたマクドーで、スタバまでは歩いて30秒で行けるという場所だ。つまりマクドがダメでもバックアップのスタバがある、と、そーゆーわけだ。
このマクドーは入り口付近には客が多いのに奥座敷はガラスキなのも調べがついていた。ケニィは1番奥に座って戦闘態勢に入る・・・・・いったいナニが???・・・・
この年に一度の大バトルに対してケニィはアイパッドとアイフォンとの2挺態勢を敷いていた。戦闘開始は夕刻の5時と決められており、その五分前にはいやが上にも緊張は高まっていく。
父はといえばケニィの横に陣取り、パソコで臨戦態勢だ。RAV4には銃が積んであるため窓から見える場所に停めてある。泥棒がクルマをこじ開けようとしたら窓を貫いて射殺することができる。
熟考され尽くされた完璧な布陣で開戦を待つ。
戦争とは、スポットの争奪戦のことだ!!
スポットとは、ワールド戦に出るための「席」のこと。四日間に渡る射撃戦に出るためには登録が必要で、その開始が5時というわけだ。ここでスポットを取れなければワールドには出られない。
スポットの数は600を超す・・だがいつも最初の10分で埋まってしまうのだ。そして今年はさらに競争が激化するというウワサが流れていた。
ただしケニィは今年の成績が良かったオープンと22口径ライフル、そして9mmライフルの部門ではスーパースクワッドに優先的に出場できるという仕組みなので安心ではある。だが、それ以外にあと4種目に出たいと願っている。
果たして四種目と父の分も1席獲れるのだろうか・・・
時は来た!!!
2人は登録欄に入ったぁ!!!
あぁあっ!!! 嗚呼ぁあああぁぁあああ〜😵
画面はエラーだと((((;゚Д゚)))))))
急いでリロード!!!
ぎゃぁ!!またリロード・・
な、なんだとぉ!!!😤 またリロード・・
そしまたエラーになりっぱなし😂
あまりに大勢が集中したためにサーバーが不良になったらしい😫
こりゃもうダメだと父は投げた😬
ケニィはと見ると、アイフォンとタブレットを手早く操作しながら一心不乱に闘っている・・・
よし!!ひとつとれたよ〜
おおおー!!!
また取れたよぉ〜♪
わぁーーお😲
ナナさんから電話が来た。サーバーがフリーズして動かないと叫ぶ。自宅でも2つくらいのスポットを取ろうという作戦は失敗していた。
やったぁ〜\(^o^)/ ケニィが叫ぶ
いくつ取れたの??
6席奪っちゃったよぉ〜😁
えええっ???
ということはケニィは8種目に参加できるというわけだ!!!
戦闘開始後7分ほどが過ぎていた・・・
上がりきっていた血圧が降りてくる😌♪
ケニィがフェイスブックなどを見ていた
次々と敗北宣言が載り始める💦
ケニィと父は登録された♪
初日の木曜日の午前と午後、
それも5 to Goからのスタートだ。
午前の部では父も一緒にエントリーする。
スーパースクワッドと同じ順番のスタートなので最善のスポットだと言える。
🗣やりましたよぉ〜皆さんっ\( ˆoˆ )/
それにしてもケニィの素早いことったら😅
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みなさん、おはばんわぁ\( ˆoˆ )/
今朝はブログが直っていました😊
で、長いストーリーでは下に書き込むとダラダラと降りて読むのが自分でもシンドイので、更新は冒頭にもってこようという実験をしますね。
ケニィの早撃ちはすっかり有名で、
ドダダダダッ!!
とい連写音が射場に響き渡ると隣近所のスクワッドから見物にくるんです。
休日は射撃の試合を楽しもう、という人たちはパブリックレンジ(一般射場)だけで撃っている人々とは様々な意味で格段に上の人々です。なんというか、一様に豊かでゆとりを感じさせる人種が多いのです。キリキリした正体不明者は ほとんど見当たらないのですよね。
最近のケニィは、13歳とは想えない、かといって25歳にも見えない・・物事を極めつつある若き剣士のようなオーラが出ています。これは我が子自慢ではなく、そのとおりなんだからシカタないです😁😅
まだ習熟してはいないのでミスも出ます、けどペンジュラムをこのスピード!!
とくにアウターリミッツが得意♪
自分でアウター専用の靴を買って使っているんですよね😅
で、試合が終わるとケニィを囲む食事会というのが企画されていました❣️
アメリカでは人気の高いメキシカンフードです。この日、ケニィと父は激しいバトルを控えていたので食い逃げ状態で失礼するのですが、みなさん行け行けと言ってくれ、自分たちの分を支払おうとするとダメダーメ🆖と💦
ダッチトゥリート(割り勘)にしてくれと言っても聞き入れてくれません。
なんと有難い仲間たちなのでしょう😭
サイプレさん、ダッチトゥリートの解説をオニガイよ🙏
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めずらしく夕刻に出発した・・・
普段ならばケニィは金曜の授業を休んで出かけるのに
今は試験の最中なのでそうもいかない
だから授業が終わってからの出発だった
今回は奮発して良いホテルに泊る
ケニィがエリア2で獲得した15万円ほどの賞金を使ってアップグレイドしようと提案したからだ
安ホテルなら100ドルていどだが
このヒルトンホテルは200ドルほどだ
じつはCTAがケニィのスポンサーになってくれたので試合の出場料金を無料にしてくれていた
これで月々60ドルの金額が浮くことになるので
年間にするとナカナカだ
たしかにヒルトンならば
安ホテルで味わうような緊張感はない
つまり泊まり客は豊かなので金品強奪には興味なく
やたら腹を立て隣人の命を狙うというヤカラも少ない
というわけだ
ヒルトンの横にはEVのチャージャーが備えてある
これを使ってみたいものだと話し合っていたのだ
プライムのバッテリーが翌朝に満充電となっていれば嬉しいではないか・・
ところが・・・
2時間近く経ってから見にいくと17マイル分しか充電されてはいなかった
急速充電じゃないのね💦
値段は2ドル54セント・・
ザッと計算すれば1ギャロン分のガソリンの値段で34マイル分の電気代となる・・
ミーやん、一体どおなっとんのよぉ??💦
電気代高すぎシンサクぢゃないかぁ!!😵
そーか・・チャージ屋が設備作って電力会社から電気買って、それに奥さんの宝石類と娘の遊興費、息子のデート代、自分の酒代コルフ代などなどを利益として載せるとソンな値段になるのかや?😁
毎日自宅で充電していても月々の電気代がウンと上がっているとは感じないのになぁ・・・つまりナニかい?・・
プライムは外で充電する必要などなく、自宅、または走りながら充電するほうがオトクってわけね♪
大冒険の序章 終わり 😊
今回の気心知れたスクワッドメンバー
右は大学で忙しくて射撃があまりできなくなった元キャリフォニア チャンピオンのニコラス君とお母さん
ケニィのとなりの少年は最近始めたタイラー君と父さん
左は日本人のイケちゃん
右から3番目は数学の先生で
レスリングの選手でもあるラルフさん
1番は市の番だった・・・
5 to Goから撃つ
来年のワールドでのケニィの始まりは
このステイジからなので
このステイジをあらかじめ選んであった
タイムは12.24秒・・
くぅー💦12切れないっ😭
それにしてもヤッキョーが大きく見えるなぁ
22口径じゃないみたいに・・
この回はジャムなし♪
ニコラス君はPCCO(9mmライフル)で勝負だ
練習不足とはいえサスガに巧い!!
ミスが減れば70秒を切るようなスピードで撃つ
今はアリゾナの大学で
エンジニアになる方向で勉学にいそしむ
ケニーとはウマが合うので会話が弾んでいた
そのケニィといえば・・
ランダバウトの最速1.29sec!!
ニコラス君いわく・・
不可能だ!!
スピードオプションはとくに難しい・・
これをピストルでやるとなると・・エアガンで経験した人になら解るよにゃ
🗣アリエネェ〜!!!
1.86secなんて😵
KCがワールドで出した平均速度は1.88ですからね
こりゃもう60秒切りの世界なのよね
☺️ここで雨ニーニョの嬉しいニュースをば・・
左がジャパンで右がミーの家
だいたいに天気は日本からやってくる・・
けどキャリフォニア州は干ばつが続いてマジ危険な状態なのよね😱
ところが今は雨が少し降っている💌
で、太平洋の真ん中で大嵐が走ってウチに向かってる♪
これらが直撃してくれたら向こう2年分の貯水ができるだろうと大期待してウズウズ救命丸なんだにゃん😻
そして新人少年のタイラー君が撃つ
うしろのROがお父さん
以前からケニィと同じスクワッドで撃ちたいと願っていたわけね
本来は右利きなのだけど効き目が左なので左撃ちをしているという
パイルー射場(今はCTA)の良さはこの素晴らしい景色さ
ここで撃ちたいから遠くからやってくるみたいな部分もあるわけね♪
ところで、このブログはまたパソコンで見られなくなっています😬
書き込みはできますけど見ることはできない😤
でもアイフォンでなら見られるという状態・・
コメ返しも不可
困ったもんだよ〜😢
ロスのマッチはちょっとマッチで😁
メガネにつける20ドルもしないキャメラをケニィが使ってみました。これは今日あったマッチでアクセルレイターを撃つ動画なんです。世界最速レヴェルの射撃を見ることができますよ♪
ジャム2回で55秒台を出すとは!?どんだけリカバリー早いのにゃ?
そしてケニャー君、総合1位と2位。ライフルとピストルだものねスゴイにゃー\(^o^)/
イチローさんも総合8位!ライフルでは6位だにゃ。
周りの人から見るとこの親子どうなってんの?ってなってるような気がするにゃー(*'▽')
雨ウニャーゴ、大きにゃ団扇で扇いでるにゃ。反作用でこちらの気圧が下がって来てるので天気が荒れるらしいにゃ(*´ω`*)
4〜5センチ下に当たるというのはマロンパが想像で書いたのであって
実際は4〜5m下に落ちるのよねぇ〜😬
こんなマチガイ2度とマロンパしないでほしいもんだわ😅
🗣🗣🗣🗣🗣🗣スンバラシィ〜!!!
これがシューターの視界なんだすねー♪
♪( ´∀`)(´∀` )♪ネー
by マクダァナーでのスポット争奪大冒険にドキがムネムネしたオトコ
ドキドキ (;◎-◎) ドキドキ
魔女
その2
そんな強力無比、剛力無双なうぃっちは涙を見せたことがない。
家族、親戚に聞いても、
「そう言えば、ないなぁ。魔女は人を泣かせても、自分には涙腺が無いんやろう」
としか返ってこない。
だが、
私は見たことがある。
今から15年程前、私がまだ高校生の時だ。
ベストセラーになった小説“世界の中心で愛をさけぶ”のドラマ版を一緒に観ていた時だ。
泣くのを予想していたのか、自分の部屋で観ていて、私にも観に来いと声を掛けた。
高校の同級生のサクとアキが恋に陥るが、アキが白血病で亡くなる。
サクはそのために医師になるが、アキの死を乗り越えられず17年間も引きずる。
そんなサクを救ったのが大学時代の同級生の明希とその息子一樹だった。
まぁ、よくある純愛物語で他愛ないと言えば他愛ないが、切なくて悪いドラマではなかった。
うぃっちが観たのも、白血病の話だったからだ。
私も何回か観ていて泣きそうになったが、そこは男の子、グッと堪えていた。
ふと横のうぃっちを見て驚いた。
第一話からティッシュで目頭を押さえているのだ。
「アホ、ええ話やないか。恋もしたこともないレイジには心に刺さらんのや」
と私の心に刺さる事を言った。
まぁ、何と言われても確かにまだ恋もしたこともなかった。
だが、それよりも初めてうぃっちの弱点を見つけて嬉しかったし、
人間らしいところも見て、その事も好ましかった。
家族にその事を話した。
皆驚いていたが、曾祖父のことを思い出しているんやろうと満足気に納得していた。
「うぃっちも少しは人間の血をおじいちゃんから吸っとってんなぁ」
と言ったのは祖母だ。
私はそれから毎週ティッシュを用意した。
「お、レイジ、少しは気が利くやないか」
とうぃっちはニコニコしていた。
翌年の年始、“世界の中心で愛をさけぶ”のDVDボックスが発売になった。
私はうぃっちに取り入ろうとしてなけなしの小遣いを使ってうぃっちにプレゼントした。
うぃっちはとても喜んだ。
私が医学部に入った時よりも、医師の国家試験に受かった時よりも喜んだ。
正月の間、うぃっちと一緒にDVDを一気に観た。
今回もうぃっちは涙を流していた。
全巻見終わるとポツリと話しを始めた。
「私もな、あのサクとアキの様に1回だけ一つの傘に入った事があるねん、ひいおじいちゃんとな。
季節はドラマとちごうて、冬やった。
寒かった。
ひいおじいちゃんが兵隊に取られる直ぐ前やってん。
ひいおじいちゃん、何か感じたんやろうなぁ。
昔は夫婦でも手ぇ繋いだりせえへんからな。
それを、ひいおじいちゃん、“濡れるやろ、傘、入り”ゆうて、こう、ぐっと肩を抱き寄せてん。
嬉しかったより、ビックリしたわ。
途中でな、ちょっと止まって上を見上げてん。
そして、ドラマで仲代達矢のおじいちゃんと同じ様な事を言うてん。
“二人で一緒に歳、取っていきたいなぁ”
私、それ聞いて、涙が止まらんかった。
ひいおじいちゃん、それから家に着くまでずっと肩を抱いていてくれてん。
そんな優しくしてくれたんあれが最後になってしもうたな。
「それから、仲代達矢のおじいちゃん、インテリやから中国の古典、詩経を読むねん。
レイジみたいな勉強せんアホは知らんやろ。
松下由樹がやった谷田部先生は流石に古典の先生だけあって知っとる。
“かっせい”言うねん。
“かつ”は葛、“せい”は生きるや。
「葛は生え、それが茨にからまる。
それで“葛生”やな。
葛が茨にからんでいるのに、
でも、わたしにはあなたがいない。
「最後の方は有名やから私でも覚えとる。
「夏の日
冬の夜
百歳の後
其の居に歸らん
「夏の日
冬の夜
百歳の後
其の室に歸らん
「分かるか、レイジ。
どんなに時が経ったとしてもやな、何回も冬が来て夏が来て、
それが100回でも1000回でもかかっても、また死んだひいおじいちゃんの所へ行く、って意味や。
「まぁ、アホなレイジは分からんやろうが、サクと同じでぼーっとしとるからな。
ずっと私の時計のバンド、黒い革やろ。
私にはな、ひいおじいちゃんの喪がまだ明けてないねん。
「でもな、生きている人間はもっと大事や。
大人になったサクを救ったんは誰や?
勿論、大学の同級生やった明希やわ。
失恋に一番効果があるのは、新しい恋や。
でも、明希の息子の一樹も同じ位大事やねん。
子供が発散するエネルギーや生気いうのは、大人が絶対真似出来ひんものや。
生命の力、そのものや。
「どや、分かったやろ、なんでひいおばあちゃんがこんなに元気か。
愛する人を失った悲しみを癒すのは生きている人間なんや。
レイジとか子供がおるからや。
レイジだけやない。
私の子供達がおるからや。
「毎晩レイジ達の生き血を吸ってるの、知らんかったやろ」
闇夜の中、それも真夜中に朗らかに笑ううぃっちだった。
やばし、
休みなんで夜更かしをしてしまった(^^;)
ルシファさん、またまたお写真を拝借。
魔女
その1
うちの曾祖母は自分を魔女、いや、「えーごの“うぃっち”やで。“うぃざーど”は男の魔法使いやから間違えたらあかんで」と言っている。
それ以外にも「“れじーな”とお呼び。“れじゃいな”はスティーヴン・キングの“クリスティーン”に出て来るけど、あれは英語訛りや。英語訛りはすかん」
と言っている。
子供の頃に「ひぃばぁちゃんは“れじーな”ってゆうとるけど、何?」と母に聞くと、
「『女王様』やがな。よう憶えておき」
我が家のうぃっちはもう90を超えている。
曾祖父と結婚したころの写真を見ると、かなりの美人だ。
大昔の言葉で言うと「バタ臭い」顔をしていて、若い頃の浅丘ルリ子とか原節子、南田洋子風の顔をしていた。
今で言えば米倉涼子や仲間由紀恵、川口春奈風だ。
冷たい系とかおっかない系の美女で、今で言うクールビューティーに入る。
そして、今でも細面で体は細身。
パリコレに出るモデルがそのままの体型で70年経つとどうなるか、という外見だ。
女の柔らかさが取れ、骨だけが残り、不気味になる。
理想的な体重より20㎏は多いおばぁちゃんの方が遥かに福々しく、可愛らしく、安心出来る。
祖母なんかは「あの人はな、正に魔女や。闇夜の真夜中に朗らかに笑う人やで」と言っている。
そう、どう見ても怖そうな外見で冗談なんか言いそうにないのだが、
言うのである。
それもいつもだ。
また、
物凄い物知り、博学だ。
なんでそんなに何でも知っているのかと聞いた事がある。
「あのな、かどかわげんぎ、ちゃうわ、かどかわげんよしやな。かどかわげんよしやてゆうとるやろ。
今回の大戦の敗戦は文化の敗戦でもあったとも。そやからな、本を読んだんや」
「でも、そのかどかわなんちゃらって、何なん、うぃっち?」
「あのなぁ、もっと勉強せい、レイジ。角川書店を作った角川源義や。角川文庫のいっちゃん後に書いてあるやろが、ボケ」
口も悪い。
しかし、理不尽な事は言わないし、言っている事は尤もな事であり、論理的であり、正しい。
だから、家族は何も言い返せない。
こう言うと戦前の女子師範学校とか出たええとこのお嬢さんかと思うかもしれないが、
農家の出で、尋常小学校しか出ていない。
最初にも書いた通り“鄙には稀な美人”とは、正に家のうぃっちのためにある言葉だった。
この辺でちょっと我が家の歴史を紹介しよう。
父方の方は明治から医者の家系だ。
帝大の医学部が出来た時に入学し、それ以来医者をやっている。
だからと言って教授とかではなく、町医者ばかりだが、大叔母だけが断トツに頭が良かった様で医局に残り教授になった。
うぃっち譲りの凄い性格なんで男性専用だった戦後の大学医学部をかき分け登って行った。
学内政治に長けていただけでなく、医学や研究でも優秀で、論文や本を何冊も出していて、
医大や医学部で祖母の名前を出すと大抵の人は知っている。
そんな人だから、テレビとか新聞にたまに出ている。
現在は名誉教授だが、そんな大叔母でもうぃっちには頭が上がらない。
「ほんまにうぃっちはいつになったら死ぬんやろうなぁ。ほんまに魔女やで、あの人は。
尤も、長生きさせているのは医者の私達やからなぁ」
母方は大阪郊外の農家だった。
鄙には稀な美人だったので、大阪郊外の地元だけでなく、父方の大阪市内まで話が届いた様だ。
父方の方から家の息子と見合いしてみないかと話が来た。
今でも医者と言うとダンナの商売としては最高だが、当時は今の10倍は“最高”だった。
しかし、母方は一族郎党まで大乗り気だったが、うぃっちは話には乗り気ではなかった。
「そんなん当たり前やん。直ぐに餌に食いついたら貰えるもんが少なくなるやろ」
したたかなうぃっちで、既に魔女の双葉は生えていた。
あーだこーだ言ってたんまりと結納をせしめたのは間違い無い。
「じゅーごーでねぇやーは嫁に行きってあるやろ、私も15やった」
1940年、昭和15年の事だった。
翌年に祖父、更に2年後には大叔母が生まれた。
町医者だったが、高祖父、曾祖父の二人が医師で、看護師は4人程いたそうだ。
曾祖父は1944年の終わりに徴兵され、軍医少尉殿として南方へ派遣。
レイテ島に行き、それから他の島へ異動されたのだが、その時の航海中に魚雷攻撃で戦死した。
高祖父も1945年の大阪大空襲で一家全滅、医院を兼ねた自宅も全焼した。
うぃっちは魔力が働いたのか、突然実家へ野菜をもらいに行くと言って子供二人を連れて帰り、無事だった。
「あん時はなぁ、ほんまに不思議やった。野菜や米をもらいに行かなあかんと突然思ってん。子供らも連れて行けば両親も喜んでくれるから絶対連れて行かなあかんと思った。まだ子供らはちっさかったから足手まといになるし、お義母さんも私が面倒見るからあんた一人で行った方ええでと言っとった。
「それでも、里の両親もしばらく孫の顔見てへんから喜んで、少し多く野菜を分けてくれると思いますと言って譲らんかった」
父方は空襲で全滅、親戚はいなかった。
うぃっちは子供二人を連れて、実家に戻った。
昔の女性だから、料理は当然として、裁縫も幼いころからやらされていたので出来た。
実家の農家の手伝いをしながら、洋裁も始め、いくつか出来ると大阪市内へ遠征し売り歩いた。
戦争中は“ぜいたくは敵だ”で女性はお洒落を我慢してたので、作った物は全部売れたそうだ。
昭和の35年頃、西暦なら1960年頃まで洋裁でなんとか親子3人の食い扶持を稼げ、実家の親に文句を言わせなかった。
父方は誰もいなくなったのに、なぜ母方の旧姓に戻さなかったか聞いたことがある。
「アホやなぁ、レイジは。お父ちゃんの方は大阪市内やったら代々帝大出ているお医者様で有名やし、信用があるやろ。
うちの里の方の名前なんか出しても信用ゼロや。戦争中、それに終わってからもしばらくは食糧難で農家はエラそうに出来る。
でもいずれ世の中落ち着いて食べ物も今まで通り手に入る様になるやん。そうしたらお父ちゃんの名前があれば何とか出来るかもしれん」
その父方の名前が役に立つ時が来た。
子供二人共が大学の医学部に合格したのだ。
うぃっちは二人が幼い頃から医者になれと言い続けていた。
医者の家系を絶やしてはあかんと。
だが、二人共大阪圏の大学は不合格、東京の私大だった。
洋裁だけでは授業料を払えないので、もっと稼ぐために高祖父と曾祖父に元患者を思い出し、
頼み歩いた。
何とか百貨店の婦人服部へ入れた。
それから、持ち前の行動力、実行力、回転の速い頭を使い、15年程働いた。
それなりの地位まで登りつめたが、二人の子供が一人前の医者になるとアッサリと辞めた。
「金は絶対必要や。そやけどな、その使い道を知らんかったら無駄になる。それには勉強せな。
「それに、これだけ子供を世話してやってんから、子供が一人前になったら親の面倒を見るのは当然や」
読書三昧の日々を始めた。
50歳だった。
“彼を知り己を知れば百戦殆うからず”と言っていつの間にか英会話も始めていた。
うぃっちはやるからには中途半端に終わらせないので、会話だけでなく読み書きも同時に始めた。
オマケに持久力もあるから10年後にはニュース雑誌やペイパーバックまで読んでいた。
「医者で儲けてるやろう、親孝行の時間やで」と言っては旅費を祖父、大叔母、父、叔父に出させ、
海外旅行三昧も始めた。
何か国行ったか聞いても、
「まだ二桁や。100にはなってへん」と直ぐには思い出せない程行っている。
75歳頃までは、年に半年は家を空けほっつき歩いていた。