決戦の日
更新日:2022年4月2日

5時に起きて6時に出る
昨日は9時始まりだったが最終日は8時に始まる
普段のケニィは7時に起きての通学なので寝不足は否めない
そのせいか
いつもの覇気が消えていた
食欲もなかったので車内でオートミールを食べていた
こういう時の叱咤激励は逆効果なので父は知らぬ顔をしている
闘志は本人の内奥から湧き上がるもの
この美しい道のずっと向こうの丘の上にケニィの バトルフィールドがあるんだね・・・
そんな試合に参加できるなんて楽しいことだね・・・
と 父は言葉を選びながら語る

昨日は調子が良すぎた・・と 父は想っていた
6ステイジを大きなミスもなくこなせたのは初めてだった
いつもなら2〜3回はミスを出す
なのに白を撃つこともなくターゲットミスもなくDゾーンさえもなかった
その結果がタラン シューターのザック隊長に次いで二位という驚くべきスコアだったのだ
このままあと残りの5ステイジを無難にこなせれば大勝利となる
一番の目標はジュニア部門での 優勝だ
スティルチャレンジに次いでUSPSAでもジュニアトップとなれば次世代を担う射手とみなされる
もちろん 手強いジュニアたちも参加している
経験わずか5ヶ月の新参が先輩たちに勝てるとは誰も想ってはいない
ただ父と本人は八割の確率で勝てると考えてはいた

射場に着くと陽が昇った・・・

CCPLの射場がこれほど広いとは この大きなマッチがあるまでは知らないでいた・・・

試合前に練習射場で撃ってみるとダブルタップがうまくいかない・・
なにがいけないのか自分でも判らないケニィだった
そんなところにザック(右)とJR(左)がやってきた
ザックはタランシューターの隊長のような存在であり JRはタランの会社で働いているガンスミス兼インストラクターだ。この2人がタランの監督下で新しいPCCをディザインしたのだという。
なんだか今朝はトゥリガーフリーズが出るんですけどGunのせいじゃないですよね・・・
ケニィがそう言うとザックはすぐに試射をし 銃にもんだいはないから指のせいだろうと言う・・・
ダブルタップというのは狙いをつけるなり高速で二発を放つというテクだが 指が速く動きすぎてボルトの動きやトゥリガーのリバウンドとのタイミングが合わなくなることがよくある
こうなると初弾はAでも次弾はCに行ってしまう

ケンや・・いつもの自分らしく撃てばいいんだよ・・狙って撃つ 狙って撃つ・・それを慎重にやるんだ・・・
自分の番がきて ライフルを持ち いつになく緊張しすぎているケニィに父は短く言う
スタンバァーイ・・・ビッ!!
ケニィは弾かれたように疾駆する
胴も手足も誰よりも細い
だが骨と筋肉の出来は違う
ありゃあウサギだ!!
と だれかが呻く
ダラッ バッバッ バッババッ ダラッ
右往左往と駆け回って30発ほどを放つケニィ・・
昨日よりはわずかに遅い
慎重さが観えた
・・遅かったよぉ・・スピードがでないよぉ・・
なぁに それでいいんだ 大きなミスはなかったじゃないの
昨日よりはチャーリー(Cゾーン)が多くなっており低調な出だしではあった 85点の出来というランだった・・まだまだチャンスはある・・・
第一のステイジは終わった
ケニィは自分を取り戻していた
あと4ステイジ・・しのげるのか??・・・



招き猫がライカを持っている☺️
そう・・ライカが好きなんだそーだ😁


左はホーグの社長でロードランナーのサポーターでもある


ケニィはザックとJRのスクワッドとは別だが互いに様子を見合う
この試合を通じてケニィは多くの新しいシューターたちと出逢えた

左は警察官で1番の使い手となった人
右はお父さんでバナーにある要人警護の会社を経営しておりケニィとは仲良し


JRの激走!!
グランドマスターでありインストラクターであり
TR-9(タランの新型ライフル)のディザイナーの1人
さすがに切れる!!







グラマーな女性😊
落ちている紙くずを拾い集めてゴミ箱に入れているのを見たとき立派な人だと感じた
ちなみにグラマーには肉付きのよいという意味はなく「魅力的な女性」という意味で日本人は間違って解釈しているのよね💦

SIG MPXのタランカスタムを使うウーマンチャンプ

リヴォルヴァの名手だと言われる若者

エコーの社長さん

ホーグ&エコーのスクワッド
みんなとにかく楽しく撃っている
他のスクワッドを撮るチャンスはなかった💦




コースの下見はこうして並んで待つ
後ろのオッチャンがケニィを元気つけている

名物の楽しいコブラ男
ロサンジェルスからの参加


ケニィは二番目のステイジもソツなくこなした
難関は三番目だった
恐るべきダブルスィンガーがあるのだ・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
いよいよ三番目のステイジだ
天下分け目のダブルスィンガーがある・・・
スィンガーというのはターゲットが左右にビョンビョンと振れているヤツのこと
これを仕留めるのは難しく この装置を持っていないがために練習したことはない
ここでなんとか4ショットをAとCゾーンに叩き込んでくれたら山場を越えることになる・・・
ケニィは他のシューターが撃つのをじっと観察しながらタイミングを測っていた・・・

(このフォトは三番目ではないです)
バズ(ブザー)が鳴った!!
ケニィは走った!!
ダッダッ ダッダッ ダラッ ダラッ ダッ ダッ ダッ ダッ
と快調に跳びまわった・・・さぁどうだっ???
・・・うっ😢・・
ネイチャーコールがきた💦💦
(このワードはサイプレ先生の解説で)
なのでシツレイをば😅
ああサッパリ☺️
・・・・・・・・・・・・・・
。。。。。。。。。。。。。。。
では 気張って撮った動画をご覧ください
ダブルスィンガーを見ると・・ アルファ アルファ アルファ チャーリー!!
おおう!! 一発だけが惜しくもCゾーンだった♪
けして悪くない・・がケニィは不満げだ ほかでデルタ(Dゾーン)を撃ってしまったという・・・
よしよし😊傷は浅い!!
さあ、あと2ステイジ・・・ 慎重に撃って大きなミスがなければ多少遅くとも逃げ切れるかもしれないという局面になった
誰でもが どこかで失敗するものなんだから 失敗しないということはスピードよりも大切なんだよ・・だから無理をせずに狙っていこうや・・
と 父はアドゥヴァイスをする ケニィは頷いた・・・
そして第四ステイジ
ケニィは身体が軽くなったように疾走する
チャーリーはあるがスピードで稼いで難なく終了!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして
ケニィは11番目のステイジに立つ・・・
長い戦いの最終戦だ
ケニィは恐れる様子もなくタランのTR-9を構える
バズが鳴った!!
跳んだ 撃った 走った!!
まさにロードランナーのように!!
だが・・・突然
ストォップ!!
とつぜんROが手を挙げて叫んだ
180度を破った!! DQ!!
と 宣告する
DQとはディスクォリファイド(失格)のこと
USPSAのコースは左右に撃ちながら走るが 銃口が一瞬でも180°を割るとDQを宣告されるのだ この試合でもすでに数人がDQとなっており珍しいことではない
180度ルールに引っかかりやすいコースは必ずあるものでケニィはここで初めて悪魔の爪に引っ掛けられたのだった
ああ・・なんということだ・・・・・・
・・・・・・・次章に続く
なぁんてこたなくってさ 笑
わはははははははははは 笑