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ニューCZ-75



















☆New Cz75☆


○オートはホントに難しいか!?

いま、オートでコンバット用のハンドガンを選ぶとすれば、.45ACPか9mmパラベラムのどちらかということになる。弾速は低いが大口径のヘビーなスラッグで敵をブッ倒せる.45ACPは、ストッピング・パワーの親分として今だにアメリカでは人気のトップだ。それに対して9mmパラは、口径が小さく弾速が高いので貫通力がすごい。そのため、かえってマン・ストッピング・パワーに欠けるという難点はあるが、.45ACPにくらべてタマが小さいので、13~18連発ものファイアー・パワーを可能にし、撃ち易さにかけてもフォーティー・ファイブの比ではない。 怒り狂って痛さを感じない大男とか、麻薬などで神経がマヒしていてイノシシのように突っ込んでくる犯人とやり合う時、相手の身体の機能そのものを即座に破壊するというのが現代のコンバット・シューティングで、それにはやはり大口径の.45ACPが有利だとされてきたわけだが、そんなハナシもシルバー・ティップの9mmパラをウインチェスター社が発売して以来、だんだんとあぶなくなってきた。

“ナスティー・ブレット” GUNにくわしいアメリカン・ポリスたちは、シルバー・ティップの9mmパラをそう呼ぶ。そこ意地の悪いタマという意味だ。スピードのある9mmパラのラウンド・ノーズは、人体くらい楽々と貫通してしまうので、ヒットされても命の助かる可能性はある。だが、シルバー・ティップだと、体内に入ったとたんにグワッとヒトデのような形に広がり、そのパワーを一瞬のうちに使い切るため、爆発的なショッキング・パワーを生み出すことができるのだ。

9mmパラのシルバー・ティップが、フォーティー・ファイブに決して負けないだけのマン・ストッピング・パワーを秘めていることが知られてから、FBIでも9mmオートに興味を持ち、テストの結果SWATのアサルト・チームに持たせたいということになった。なぜSWATかというと、SWATは小火器、ことにハンドガンの熟練者がそろっているからだ。

オートはリボルバよりも難しいので、精通していないとホントには使えない。オートのなにが難しいかというと、その複雑さにある。まずサム・セフティー。セフティーのかかったガンは、トリガーを折れるまで引いたって発射できない。それから、初弾をチェンバーに入れとかなければ、10万回トリガーを引いたってタマは飛ばない。マガジンもしっかりとロックしてなかったら、1発撃ったとたんにストンと落ちて、16連発のファイアー・パワーもまったく無意味となる。アッタリまえヤンケ!そう思うでしょ?しかしイザとなると、シロートにはそのアタリまえのカンタンな操作がなかなかできないものなんだよ。オートのモデルガンを持っている人なら、心あたりがあるはずだ。実際、M59のセフティーを外し忘れたために、ヒットされて死んだオフィサーもいる。リボルバだったらセフティーもマガジンもカンケイない。ただトリガーを引くだけだ。万一不発だったら、続けてトリガーを引けばよい。だからオートマティック・ハンドガンとは、正しい思考力と繊細な神経を備えた男が、何年もかかってやっと使えるようになるものなんだよ。なんていっちゃうと「イチロー、おめサはどうかの。オートを使えるんケ?」という質問が聞こえてきちゃいそう。まあ聞いてくれ。


○実力を試されるオート

去年バレホというところにある海軍基地で、海兵隊SWATの訓練があった。

バレホ港には原潜のドックがある。ワシ、特別許可をもらって、原潜フラッシャーの内部をたっぷり見せてもらった。あれはスゴイもんだ。ショックで、その後なんども夢をみたもんだよ。艦内に浸水してくる、オトロシイ夢じゃった。

それはさておき、海兵隊SWATのための、フォーティー・ファイブによるアサルト・コースというのが始まった。誰か手本を見せなければいけない。だがFBIのインストラクターたちはみんなリボルバしか持っていなかった。そこでリーダーのジョーが目をつけたのは、ワシの腰のロジャース・ホルスタにサンゼンと輝いてはいない、ボブチャウ・カスタムだった。

サテン・フィニッシュは輝かんのだ。

「 GO!イーチ」ジョーはどなった。

ワシはふてぶてしく落着きはらって、ガバメントを抜き、マガジンをたたきこむ。スライドを引いて、ジャキッと第1弾をチェンバーに送り、同時にセフティーをかけてマガジンを抜き、ガバメントをホルスタに戻した。次に、ポケットから1発のタマを取り出して、マガジンにつめ、体をねじって、ホルスタの中のガバメントにそのマガジンを押し込んだ。地味に、そしてむだな動きひとつなく、確実な動作を見せるように気をくばったのは、デモンストレーション・シューターとして当然のことだ。用意ができると、ワシはふり向いて若い海兵隊員たちの顔をひとあたり見て、「行くぜ」といってニヤッと笑った。ときとして、自分でも驚いちゃうくらいに、ワシのシンゾーは強くなる。ホントは、すごい引っこみ思案の、恥かしがりやなのに······。

ワシは1.5mのバリケードまでダッシュして、オーバー・バリケードで2発撃ち、セフティーをかけてからバリケードを乗り越え、着地してニーリングで4発。ダダッと走りながらマガジンを落として、パウチから抜いたものと交換。低いバリケードの後ろにすべりこんで、プローンで6発。そのまま、マガジン・チェンジ。次にドア・エントリー(室内突入)して3個のターゲットに2発ずつ撃ちこみ、マガジンを抜いて、チェンバーのタマもサッと抜く。ハンマーを落としたガバメントをホルスタに納め、ゆっくりと70mばかり走って、皆のところに戻る。この間に荒い呼吸を静め、何でもなかったような顔をするのを忘れない。「ウッ、うまい!どこで習ったんだ?」マリーンのSWATリーダーが目をまるくした。まさか、この小さくて細っこい日本人が、これだけのテクニックを持っていようとは······と、その目はいっていた。

と、まぁこれは事実なのだけど、こういうとワシのウデもたいしたものだと思うでしょ。正直いってそのころは、もうオートも使えるという自信もあった。だがその後IPSCのリーグに入って試合参加したとき、たたきのめされる思いをしたのだ。IPSCの試合というのは、いつも異なったコースが設定され、ときには極限にチャレンジさせられる。そのひとつが、7ヤードから4個のターゲットを2秒以内にヒットするというやつだ。なんとか2秒間に4発撃てるには撃てたが、ヒットしたのは2個だけだった。あまりに時間が短いので、もうめったやたらにターゲットのあたりに向けてタマをバラまくしかなかった。これを確実にやれるのが、シスコの周辺に3人はいる。


“ひとができるのなら、自分もやればできるのだから悲観しない。自分にやれることなら、他人もやれるのだから、いばっちゃいけない”


というのがワシの信条なので、さっそく練習を開始した。自分が実際にできるまでは、“俺だってやればできる” なんていいたくない。誰にだって、やればできるという可能性はあるのだが、本当にやってのけるまでは、やはり、“まだできない人” なのだから。

レンジに行って、ターゲットを4個立てた。ニックが、ピッと笛を吹く。ワッと抜いてダダダダとトリガーを引く。試合のときと同じ感覚だ。何もわからない。タマがどう飛んでいるのか、いつトリガーを引いているのか、ターゲットを見ているのか、何もわからない。何度もくり返す。たまには4個ともヒットするが、まぐれ当りにすぎない。最初のトリガーを速くしたら、ユトリがでるかも······そう考えて、抜くのを速くすることにした。それまでは初弾に1秒かけて、残りの1秒で3回トリガーを引いていた。これからは0.8秒で初弾を放つことにする。0.8秒というと、ずい分長い気がするが、手を肩の高さにあげて、それもダブル・ハンドで撃つとなると楽じゃない。ぼくとしては、20%のスピード・アップだ。「ピッ」バッと抜く。トリガーを引く。······タマが出ない。セフティーがOFFになっていないのだ。ぼくの右手のおや指は、頭脳からの命令なしに、GUNを抜いたとたんにセフティーをOFFにするよう習慣がついているはずだったのに、0.2秒速くしたことで作動しなかった。何度も抜く。ただ、ひっつかんで抜くのがせいいっぱいなので、グリッピングもでたらめだ。おや指がマガジン・キャッチに触れて、マガジンがストーンと抜け落ちたりもした。いくらやっても感覚がつかめない。

海兵隊SWATにガバメントの撃ち方を教えた男がこのザマか。あのときの余裕たっぷりが、今ではいやみに思えてくる。


○ホーム・ディフェンスガン? Cz75

と、まあそんな経験があって、ただ今自己批判中なのだよ。

だから、イチローはオートにかけてはいまひとつというところ。あと6ヵ月あれば、IPSCの多彩なコースに対応できるテクニックが身につくんじゃないだろうかと、心ひそかに思っとりやす。

エート、なんのハナシだ。······そうだ、オートは使いこなすのが難しいということだったな。その難しいオートを、なぜ多くの人が愛用するのか。ことに、IPSCのシューターの9割以上がオートを使うのはなぜか。実用的な面から見ると、オートにはタマがたくさん入るということが1番にあげられる。それに、マガジン交換もすばやくできる。リボルバよりも携帯に便利だ。トリガーも、ダブル・アクション・リボルバより引きやすいなどの利点がある。

IPSCの試合は、リボルバで参加できるように、6発撃ったらタマを再装塡するようにデザインされているので、16連発を持っていても意味ないが、それでもオートが圧倒的に多いのは、マガジン交換が速くできる、トリガーのタッチが軽いという要素からきている。IPSCのスローガンは、パワー、スピード、正確の3項目で、使用するタマのパワーも測定され、規定のパワーに達しないタマは、“マイナー” としてハンディを与えられる。たとえばメジャー・パワーで撃って、センター・ゾーンから5点、4点、3点と採点されるとき、マイナーだと5、3、2点と点数を差し引かれるわけだ。.38スペシャルも9mmパラも、マイナーで、.44スペシャルや.45オートのフル・ロードがメジャーとなる。そんな条件を考えて、現存するハンドガンから、もっともIPSCに適したものを選ぶとなると、コルト・ガバメントしかないという結果になる。コルト・ガバメントの、あの大柄な野性の魅力は永遠のもので、なんといってもオートの大親分に間違いない。これだけ年がら年中撃ちまくっているぼくでも、フォーティー・ファイブを撃つときは体がゾクゾクして、“ホントにハンド・ガンを撃っているんだ” という実感がするんだ。

さて、もんくなしにガバメントは最高だ。ぼく自身、IPSCの試合でもそれしか使わない。では、なにかの理由で、イチローが1挺のハンドガンに生命を託すとき━━ニッキー・ノザックのようなテロリストになって戦い続けるとか、イーチ・ナガラッタのように酷最団に挑戦するとか、銀行ギャングとして生計をたてるとか、Gメンとなってワールド一家に潜入するとか、5人ものドロボーが、窓ガラスを破り始めたときなど━━やはりガバメントだろうか。ノーッ。ノーッ。ノ~~~~ッ。 ここで出てくるのはCz75なのだ!

7年前。ぼくの枕の下にはピース・メーカーが眠っていた。理由は、クリント・イーストウッドのムービーだ。そして、パイソンに変わった。かっこいいからだ。やがて、S&WのM66に変わる。サビないし、かっこいいし、パイソンよりもアクションがいいからだ。さらに、M65に変更した。サビないし、実戦に強いからだ。

そして、’81年6月からCz75にとってかわる。第1の理由は、ワシの子供であるランディーが、コクサイのリボルバのハンマーをコックして、トリガーを引けるようになってしまったからだ。ぼくのM65はデホーンドなので、ハンマー・コックはやりにくいが、間もなくダブルでも引けるようになるだろう。ゼッタイにホンモノのGUNに手を触れないよういってあるし、本人もそれを守っているが、やはり万一ということがある。ワシはランディーにCz75を渡して、スライドを引かせてみた。スライドはビクともしない。奥さんのユーコヒメだって引けやしない。

そこで、ぼくはCz75のチェンバーを空のまま、タマの入ったマガジンをインサートした状態で、枕の下に置くことにした。それが1981年の11月号でニックがリポートした、あのCz75だったのだ。ベッドに寝ころんで、サッと枕の下からCz75をとり出し、プル・ブレイクのホルスタから抜き、スライドをズチャッと引くのと、ソーッと音を立てないように、チェンバーにタマを送り込む練習をしたのはいうまでもない。ズチャッとやるのは敵がま近にセマッているときで、ソーッとやるのは小さな物音を聞いた時、こっちも静かに迎え撃つためだ。そんなことしなければ、アメリカでは生きて行けないかって?トーンデモナイヨ、交通事故か、癌にかかるほうが、ずっと確率が高いネ。ただ、こんなことなどしながら、迫力ある人生を過ごしているような、そんな気分を楽しんでいるだけサ。


○群を抜くファイアー・パワー

だが楽しむだけあって、ワシもシンケンそのもの。本気でその楽しさを追求した。ガバメントにするかCz75にするかで、やはり迷ったのだ。ブラウニング・ハイパワーもベレッタM92Sも、アタマからモンダイにしなかった。ハイパワーはもはや時代遅れだし、ベレッタはガサツでいかん。アストラやラーマなんぞもチーピー(安っちょい)でダサイ。イチローの一家を守るハンドガンは、一室に1挺あればよいのだから、値段は高くてもよい。世界中でもっとも優秀な、信頼できる、そして格調あるスタイリングの、美しいものでなければならなかった。

ガバメントとCz75が残った。絶大なショッキング・パワーを誇るフォーティー・ファイブか、16連発というファイアー・パワーでどこまでもくいさがれる9mmパラか?ガバメントのドシッとしたあのカッコよさ。トリガー・ガードの上を大胆にカットしたCz75の精悍さ。いずれも捨てがたい。あれこれ考えてから、Cz75に決めた。やはり、ファイアー・パワーをとるのが近代的というもの。

ハンドガンは、撃てば撃つほどその難しさがわかる。難しいのだったら、タマが多いほど得だ。重量も16発のタマを含めて1,170gと悪くない。ガバメントは8発を含めて1,260gだ。Czのスペア・マガジンを2個持てば、合計46発。ガバは22発だから、その差はキョーレツ。ナチスのヒミツ警察から急襲された時、〈なんでナチスが出てくるんじゃ!〉予備のタマを100発はポケットに入れて脱出したい。.45ACPだと2.16kgにもなるが、9mmなら1.16kgと約半分。Cz75は、すばらしいメカのダブル・アクション。しかも、ハンマー・ダウンのときは、セフティーがかからない。つまりリボルバと同じ感覚で撃てるのだ。

このごろのオートは、やたらに安全性をまくしたて、やれハンマー・ブロックだ、それファイアリング・ピン・ブロックだと変なものをつけたがる。GUNの取りあつかいに慣れていない人を事故から守ろうというわけだが、どのように安全に作ったところで、タマが出る限りは危いことに変わりはない。DAリボルバにセフティーがないように、DAオートにもセフティーなんぞいらないのだ。Cz75は、ハンマーをコックした時だけサム・セフティーをかけられ、ガバメントのように、コック・アンド・ロックで敵に備えることもできる。コックしてセフティーをかけると、ハンマーがストンと落ちてしまうM459やベレッタM92Sなんぞは、Cz75のシャープな感覚に逆行しているとしか見えない。

チェコスロヴァキアという国は、UZIの原型を作ったところだ。ローラー・ロッキングのピストルもとっくの昔に作っている。.25口径ポケット・ピストルにしても、ダブル・アクション・オンリーのあきれるほどリッパなのがある。名銃Cz75も、生まれるべくして生まれたといえそうだ。

Cz75の前期型は、ややハイパワーを思わせるが、その思いきったカッティングにはハッとさせるものがあり、GUNを見る目のある人は、その非凡な形、スライドの鋭いグルーブ、リア・サイトの強固さから、ただならないものを予感する。FBIのインストラクターたち、SWATのリーダーたち、IPSCのトップ・シューターたちに見せびらかしたら、皆ほれこんでしまった。“リボルバでなくちゃだめだ。ベレッタもM459もぜったいイヤだ” と主張していたFBIトレイニング・ユニットのリーダー、ジョー・イスキュエルドも、“Cz75は、生まれてはじめて信頼したオート” とまでいった。彼のいう “リボルバでなくちゃダメ” という意味については、いつかゆっくり書こうと思うが、要するに、リボルバのほうが信用できるということだ。実はぼくも同じ考えで、子供のランディーさえいなかったら、M65を枕の下に入れときたい。


○800ドルで手に入れたNew Cz75

ロサンゼルスのガン・ショーで、ルガーP08の中に混じった1挺のハイパワーを認め、それがブラウニングでなく、Cz75のニュー・タイプであるとわかった時、ドタマがガーンとなった。

「これ見せてくれる?」落ち着いたふりをして気のよさそうなルガー・コレクターにたのむ。

「これ、ニュー・タイプだね」と確かめる。

「ニュー・タイプだって?古いのもあるのかい?オレ、このGUNについちゃ、なんにも知らないんだよ。ダブル・アクションがすごくスムースだってことしかわからんね」

「カナダ経由で手に入れたのかい、アメリカでは直輸入できないものだけど 」

「いや、じつは俺の知った奴がいて、そいつがどうでもいいから引きとってくれというから······どういうルートで入ったか、ゼンゼン知らないね」

「で、いくらなの」ここらで、いちばん気になっていたことを聞く。相場からして1,250ドルはするから、1,400ドルは覚悟していた 。

「850ドルほしいナ」

「WHAT?エイト・フィフティーだって?······なんでそんなに高いの。ベレッタのほうが安いじゃないか」ついうれしさでそんなジョークが口をついて出てしまった。

「だって、これ、わりかしめずらしいものなんだぜ······」男の言葉には、いいわけがましい口調があったので、ついでに悪のりする。「800にしといて、ネッ。そいでもって、バラしてみて、異常さえなければ持ってくからサ」

「これを値切るなんて、悪いですよ。そりゃサギじゃないですか。この人は、Cz75の値打ちを知らないんだから······」と、一緒にいたジョニー・ノバタが、アッチに味方する。

「イーヤ、800だ。ベレッタはもっと安い」ダメでもともと、ワシはネバッた。

「······シャーない、いいだろ」

「オッ!サンキュー、握手だぜ!」

ワシは取引がすんで、そのテーブルを離れてから「ギェ~~~~ッ、信じられるかい、こ・れ・が!」とダンスをはじめた。「やったじゃないですか、誘ったかいがあったなあ」ルガーとモーゼルに狂ってるジョニーも喜んで、かたい握手をかわす。ホントに久々の掘り出しものだったのだ。家に帰って、両方をならべてみる。旧型は1979年製で、新型は1981年製だ。全体としては同じだが、ニュー・タイプはスライドの前方カットを少なくして、フレームとスライドの結合する溝が3cmほど長くなっているため、ハイパワーそっくりに見える。これくらいのことで精度が増すとも考えられない。デザインからみると、ぼくは旧型のほうがよっぽど好きだ。ただうれしいことにニュー・タイプにはハーフ・コックがついた。これは旧型と同じハンマーに、ちょっとヤスリを入れたくらいの簡単なものだが、旧型のハンマーがファイアリング・ピンの尻に密着したままで、持ち歩くコワサから開放された。Czのファイアリング・ピン・スプリングは強いので、実際にはそんなに危険だと思わないが、落した時のことを思うとやはり気になるものだ。それに、ハーフ・コックの状態からダブル・アクションで撃つと、トリガーのストロークが5mm短くなるので、その分グリップするのが楽になった。ハンマーのホーン(ツノ)の形もよく考えられ、片手で抜いてコックするのが楽に速くできる。ダブル・アクション・オートといえども、敵が遠い場合は抜きながらハンマーをコックしたいもの。50mも離れたターゲットには、Cz75のスムース・アクションといえどもちょっと無理なのだ。ここまでキチンと考えてあるDAオートはCz75くらいのものだ。

トリガーのよく磨かれた、手触りのよい曲面もAクラス。2/3だけグルーブの入ったマガジン・リリース・ボタンもこれまた芸がこまかい。スライド後端にある、深いグルーブは、ほどよく鋭いエッジが立っていて、スライドを引きやすい。チョコンと立った必要最小限のフロント・サイト。落としてもビクともしないリア・サイト。コーナーをまるめたスライド・キャッチとセフティー・レバー。太いグリップをピタリと手にフィットさせる、絶妙なバットの曲面。タップリとルームのある形のよいトリガー・ガード······どこを、どうみてもCz75は1流品の風格とオリジナリティーを感じさせてくれる。


━━コンバットマガジン1983年1月号より━━


闘作by マロンパ



ところで

こちらが父さんの撮影ね😊 トリミングはこのようにするつもりで撮ったのだけど、原画のままのせたのさ♪





カッチョ良いなコレ♪




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