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レッドスター

フーイ・・・💦

 やっと次号SAT用のリポートが書けましたぁ♪

いよいよマグナムリサーチのライフルですよぉ〜♪


 このごろ書くのがとくに難儀でねぇ😿


集中力が落ちているので、このままだと小説なんか書けなくなるだろうと困っているのですよねぇ😢

 ともあれ、今月号のSATマガもよう売れたそうで、それは警察や自衛隊さんよりも、ここの皆さんのおかげだとボクは想っていますよ。

感謝しておりますぅ🙏


そこで最新号に載せたリポートを載せときますね♪

フォトはハショリましたけどオユルシを・・・


レッドスター

      by Ichiro Nagata


 スティルチャレンジの世界大会が終わった夜は食事会をしながらの賞品授与式だった。

 数多くのスポンサーから出された大量の賞品が大部屋一杯に並べられ、成績の良かったシューター順に名前を呼ばれ、それぞれが好きな賞品を選ぶことができる。


 「ケンシロー・・ナガァータ!!」

この動画は、優勝カップをもらうシーンです。


🗣アイラヴユーケーン!!


🗣彼はまだ9歳だゾー

(恋愛には早すぎるという意味)で

笑いが巻き起こりました😁


 最初に呼ばれたのは大会で最も活躍したケニー少年だった。彼は小躍りしながら大部屋に向かい、父はヴィデオを回しながら浮き浮きと追いかける。

 部屋に入ると高価な賞品が並べられたテイブルに案内された。それらは様々な銃だった。

ケニーはどれにしようかと見渡す、

「これが1番の値打ち物ですよ・・」

 と、係員が指差してくれた。

「イエス、それにします!!」

 と、ケニーは躊躇なく応じる。すでに決めておいたモノらしい。

 見ると、それはレッドスターだった。

 スティルチャレンジで使われる9mmライフルにもいろいろと種類はあるが、レッドスターは有名ブランドのひとつであり、それをケニーは1週間ほど借りて試したことがあって気に入っていた。

 キャリフォニア州の銃規制は厳しいのだが、レッドスターならば ちょっとした改造で登録できるということも判っていた。

 いつかはレッドスターを入手したいが1700ドルもするので躊躇していた。これまで使ってきたアングスタッドのロウワーフレイムにはちょっとした難点があり、ダマシだまし使っていたという現実もある。ワールドマッチの直前でも一度だけだがフルオートになってしまい、本番でもそうなりうるだろうと覚悟はしていた。しかし、幸運なことに故障はなくケニーは優勝できたのだった。

 トップシューターたちにはスポンサーがついており、彼らは数挺の銃を使い分けているが、ダークホースのケニーの父親には最先端の銃を追いかけるほどの財力はなかったのだ。


 「ボク、勝って銃をもらうから大丈夫だよ」

 と試合前のケニーは、そんなことを言っていたのだが大会が終わってみると賞金のほかに賞品として4挺もの銃を獲得しており、そのひとつがレッドスターというわけだ。

  


 今のアメリカでは自分と家族は自分で護れという機運がこれまで以上に熱しており、銃と弾が売れに売れて未曾有の品薄となっている。そんな風なので銃を賞品として獲得しても3ヶ月や半年は待たされるのが普通だった、が、そのレッドスターは試合後1ヶ月ほどで近所のガンショップに送られてきた。

 手にしてみると、なかなか堅牢な作りで、ケニーの望みどおりにセットアップされており、極上なトゥリガーも着けらてれていた。グリップにはキャリフォニア名物のフィンが付いている。親指がグリップの反対側にまわるようなグリップは禁止なのだ。それがあると射撃に支障をきたすかといえばそんなことはなく、慣れてしまえば普通に撃てるわけで、なんのための規制なのかは誰にも解らない。規制法案を通した政治家はランクが上がるそうで、かといって銃に詳しくはなく、いつもトンチンカンな法を作って専門家たちからはバカにされているというのが実情なのだ。



 早速にレッドスターを試す。

 弾倉はグロックピストルの9mm用を使用するようになっている。ケニーはキャリオプではグロックを使うので弾倉を共用できて便利なわけだ。

 父はエイムポイントを搭載してゼロ出しをする。サイトの調整をするのはいつも父だが、撃ちながら感じたことはトゥリガープルの素晴らしさだった。キレは良く、それでいて柔らかさもある。試合用のトゥリガーでコワイのはフルオートになってしまうことだが、そういった脆弱感はない。ただ、ボルトを前後させるためのスプリングは時代遅れかもしれないと感じる。ボルトの動きがシャープではないのでケニーは気に入らないだろうと想った。

 スティルチャレンジで撃つためには18ヤードで1点に集弾するように合わせるのがよく、10発ほどで調整は済んだ。当然だが集弾性能は高く全弾が親指の爪くらいに集中する。




 ケニーは、射撃準備のできたレッドスターをいきなり試合のスピードで撃った。いつものバカッ速い連射だ。


 「あははは、いいねぇ・・♪」


 そう言いながらさらに撃ち、ボルトの動きが遅くて困ると言った。それと前方がやや重いのでバランスに難があると言う。14歳になったばかりの少年とはいえ、世界記録保持者だけあって感想は鋭い。

 前方が重い理由はバレルの長さが16インチだからだが、それでもレッドスターにはかなり細いバレルが入っている。しかし、この世界の趨勢ではバレルは短くして外側にアルミパイプを固定したものが使用されるようになっており、ケニーがこれまでに使っていたバレルは5.25インチという拳銃と同じような短いバレルだった。16インチではバランスが変だと感じるのは無理もないことだ。

 しかし、それらは織り込み済みだった。

 すでにケニーの手元には世界で1番に軽量ではないかと想われる最新の5.25インチ バレルが届いており、それが軽すぎるならば10インチも届くという段取りになっていた。最新のスプリング類も揃っていたのだ。

 


 実は、大会が終わって帰宅する途中のエアポートでタコム社の社長からケニーのフェイスブックに連絡があり、これから作る新製品をテストしてくれないかという打診があった。

 ケニーはタコム社のアッパーを使用して世界を制したのだが、それらは父が購入して使用したものでタコム社との通信は1度もなかった。なのに、タコムの社長は誰かのフェイスブックに載せられたケニーの写真を見てコンタクトしてきたのだった。その素早さに驚いた。もちろん、自社製品が世界一になったのだから社長の興奮ぶりは想像できるのだが・・・




 タコム社は部品を作るメイカーであって、銃は作っていない。バレル、レシーバー、そしてライフルの心臓部であるバファーとスプリング類を開発しており、製品のグレイドはトップクラスだといえる。

 以来、ケニーはタコムのティム社長とは頻繁にやりとりをしており今では気の合う友人のようになっている。


 これまでの永田親子は、新しいバファーやスプリングが出てくると試してみたかったのだが年金生活者の父は出費を抑えていた。ここにきてタコムの製品をテストして改良点に関して報告し、そして出来た新しいものを再びテストできるというのは嬉しい関係だった。ちなみにタコム社は小さな個人企業なのでシューターのスポンサーにはなれず、製品を無料で渡すのがやっと・・といった会社のようなのだ。だが、その代わりに社長の意思ひとつで何をどう作るかを即断でき、シューターの欲するモノをすぐに作れるという利点がある。



 レッドスターという完成度の高いロウワー(銃の登録番号はロウワーに打たれており、これが銃なわけ)に、より進んだタコムのアッパーを搭載するというのがケニーの望む次期ライフルということになるのだが、これが仕上がって試合に出せるのは8月ごろになるだろう。そのころには、ここで見るオリジナルのレッドスターとは異なった姿になっているだろう。

 

 ところで、

 6月から夏休みに入ったケニーはPCCOをさておき、22口径ピストルのアイアンサイトおよびダットサイト搭載での訓練を始めている。  

 9mm弾用のプライマー在庫が充分ではない今は、22口径を使って射撃の基礎固めをしようというわけだ。


 この訓練で使用するのは1911と2011だが、いずれも22コンヴァージョン システムというアッパーを使用する。

 つまり、大口径拳銃から22口径弾を発射するもので、実はスティルチャレンジでも22口径のピストル部門は人気があり、その需要も爆発的に伸びている。

 世には22口径ピストルもゴマンとあるが、ケニーはネルソンのアッパーを使うことにした。その理由は、もちろん出来の良さ、そしてネルソン社からスポンサーのオファーがあったからだ。 

 ネルソンはブルズアイ シューターたちにはスポンサーをしているがスティルチャレンジ シューターはいない。そこでケニーに着目しネルソンのコンヴァージョンを提供してくれることになった。父は以前にケニーにネルソンを買ってやりたいと考えていたが、フルセットで10万円ほどもするため、昔から持っているマーヴェルを使うことにしていたわけで、これは嬉しいオファーだった。そして実は、そのネルソンが届いたのは、このリポートを書いている二日前のことだった。

 ネルソンはマーヴェルを進化させたモノで基本的には同じ物だ。そのどこが良いかといえば、1911の感覚そのままに撃てるということ。違いは反動が少ないということだけ。1911と同じということは、つまり今持っているホルスタから抜き撃ちができるということなのだ。ドロウ&シュートの練習が安価にでき、その効果は絶大といえる。もちろん、22口径ではオープン部門には出られない、が、リムファイヤのピストル部門には出られる。この部門ではホルスタ使用はなく、両手で銃を持った状態から撃てばよい。

 トレイニングガンとしても素晴らしく、試合銃としても手軽に使えるコンヴァージョンは最適といえる。そして、このタイプの銃を持っているシューターの数ときたら想像を絶するほど、なのだ。 

 これで腕を磨き、来年もまたケニーにジュニア トップを獲らせたいと父は願っている。高度な射撃のプロとなるからには拳銃が上手くなければならない。9mmライフルだけでは片手落ちで、より難しい拳銃部門での成績が問題視される。ジュニアは13歳から17歳までなのでケニーが毎年にわたり優勝できれば歴史的なプロとなれるだろう。 


 では、また!!

イチロー



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