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ロングコンプ

エチェローさ~ん♪(ボウランドさん風に😁)


ルッシーさんのカキコを参考にして探したらば、

ロングコンプの記事が見つかりますたYO♪

(ノ゜∀゜)  バンザーイ!!


マロンパ👍




       BOLAND CUSTOM

         LONGCOMP














         鋼鉄の魔術師

ブルースティールの芸術家

超越のガンスミス。

巨匠、ボウランドが放った超軽量銃はスティールセンセイション!


IPSCは銃を持って闘うワザとチカラをつけるためのマッチだ。

自分を危険から守れるのは自分自身でしかないということをよく知っている人種の支持を受け、アメリカの近代武道として急速に発展してきた。

だが、そういった動物の闘争本能を容認できないネクラの軟弱な神経症人種も多い。彼らは「平和」という旗印のもとに、コンバットシューターを野蛮人と決め付けるのだ。

「闘うパワー」は平和を乱す、といえばいかにも説得力がありそうで、一般人をだましやすい。が、平和を守るために一番必要なのも「パワー」なのだ。クスリやクルマのようなもので、正しく使いさえすれば人を助けることができるではないか。

それはともかく今 、IPSCは伸び悩みの時代にある。

夫や息子が週末になれば人殺しの訓練に出かけるというのではヘーワなセケンサマに対して後ろめたいものだ。

だから、シューター人口が増えにくいし、スポンサーもつきたがらない。

はた目さえ、良ければ自分に正直である必要はない。世間体を守るには事実も真実も都合が悪い。誰も彼も一緒に犠牲になって、みんなでガマンしながら不幸に暮らしましょうよ······。そういった心理は日本人だけの特許かと思っていたら、人類共通の感情らしい。

ハナシがそれて困る。

と、そんな社会環境の中で考えられたのが、ニューマッチだ。

「神経症常識派」を刺激しないようにペイパーターゲットからヘッドを取り去り、人質という呼び方をやめて「ノーシュート ターゲット」などと呼びはじめた。鉄板ターゲットを多用し、観客が見ていても楽しくなった。パワー規制もビアンキカップなみに緩和された。

と、いうわけだ。

では、その様子を見ようじゃないか。


①スティールチャレンジ風IPSCというか、ターゲットは鉄板だらけ。

②カラフルで気軽に親しみやすいマッチ。決してヒトゴロッシャーのツドイなんかではありません。はいっ。

③IPSCはパイルーのスティールチャレンジ会場を使用するのでステイジもご覧のようにいっぱい。

④ルールは明快。見えてるターゲットをみなごろし······じゃない、みんな撃つ。コースは当日発表のサプライズマッチだ。

⑤戸や窓を開けると、ターゲットがいっぱい視界に入ってくる。どれから撃っていいか、わからないからトマドイなんちゃってね。

⑥ペッパーふたつを倒して、後ろのターゲットにダブルタップを2回。機関銃のようにして撃つべし。


マッチはシューターたちの社交場。

誰がどんな銃を使っているか、ホルスタは、ベルトは、パウチは、マグバンパーは?

スプリングフィールド アーモリィがダンスキーのカスタムに興味を示した。

プラクスコがガンスミスをやめた。

アンジェロが、ボウランドを使い出した。

誰が、誰の女房を獲った。

宇宙の底が見とおせるような青空の下、さんさんと明るい太陽にありながら、そんな情報を交換しあうのだ。


デカくて力のあるものが強いというのが一般スポーツの世界。だが、シューティングの世界はまったく違う。勘、知力、判断力、精神力の面における闘いが要求されるのだ。

マッチはスティールチャレンジの要素ながら、様々に変化するコンバットのシテュエイションが想定され、テクニックも求められる。


この日、一風も百風も変わった銃がデヴューした。

サンフランシスコの早撃ち、ドクタートムの新しい相棒だ。

「ブルースティールを使う芸術家」と『ハンドガンナー』誌が書いたボウランドの新作「ロングコンプ」だった。

鋼鉄の魔術師が、コルトのライトウェイト コマンダーをベースに超軽量カスタムにチャレンジしたのだ。



「いいか、エチェロ ー。君がライトを消してシャッターを1秒間開く。そしてすかさず合図をすればオレがファイアする。ストロボは飛び出すタマと噴き出すガスをとらえて自動発光することになっている。

いいか?さあ、やるぞエチェロー!」

「エニィタイム。だけど、ワシの名はイチローだぞ。エチェローじゃなーい」

「何をいうか。日本人はオレのことをBORANDというくせにぃ。オレはBOLANDなのを知ってるだろうが······」

「オウケイ、オーケイ、ミスターボウランド。ライト消すぞー。

スタンバーイ、レディー?」

ドワッガン!

暗闇でロングコンプが吠えてオレンジ色の炎が噴き出した。

時刻は深夜12時すぎ、ボウランドのワークショップはテストファイアルームでのことだった。

ジムは写真キチガイだ。キャメラ店を開けるくらい機材をイロイロ持っていて、知識の豊かさときたら写真学校の講師になって食っていけるほどだ。

ワシがジムに銃のことでデンワをかけようものなら、30分は写真の講義があり、質問などしようものなら2時間はたっぷりと聞かせてくれる。

ワシは無精なので、写真のことに関しては雑誌も読まず、写真協会にも入らず、フォトグラファーの友人も少ない。だから、新しいキャメラの情報やテクニックなどはジムのレクチャーから学んでいる。

この夜はジムが自作した高速ストロボでロングコンプから吹き出すガスを撮る実験をしたのだ。

ジム ボウランドは新しいコンプを造るたびにこのストロボで写真を撮り、その動きを研究するのだ。


トゥリプルチェンバーの長いコンプをつけた「ロングコンプ」は、軽さを極めつくしたカスタムだ。

アルミフレイムを採用。強度はスティールチャレンジ専用の、マイルドなタマだけを撃つように設定されている。

外側はもちろん、内側からも徹底して肉を削り落とし、まるでエアーガンのように軽い。マガジンを抜いて計りにかけたら、なんと908gだった。これとは別にスティールフレイムの同型もあって、それはメイジャーロードを撃てる。当然、アルミより重たい。が、それでも信じられないくらいに軽く、アンジェロがそれを使いはじめた。信頼性、安定性、グルーピング、すべて上々だという。


ダブルチャンバーの時代に入ったかと思うと、もうトゥリプルの兆し。それも重量+コンペンセイターでキックを押さえるのではなく、スカスカのスイスチーズから噴き出すガス圧だけでいこうというのだ。科学を感じさせるなあ。

サイドにふたつあるポートで、後ろ側のものは貫通していない。デザインのバランスをとりながら、肉を抜いたものだ。

ボウランドという男は本当に凄い。



ジムから新しプロトを見せられたのは、去年のスティールチャレンジのときだった。

シングルポートのコンプだったが、ギャッというほど軽いもので、カタチは大きなバッタを思わせた。アルミフレイムと粗い仕上げのせいで砂漠のようだったが、どこかモウレツに心を引くものがあった。

“スティールチャレンジのカスタムは専用銃を造るべきだ。そして、それは軽いほどいい”

そういう結論にワシも達していたので 、ボウランドのガンスミスとしての到達点が同じところにあるのを知って自信を深めた。

「ねえ、ジムよ。コイツを完成したら『ハンドガンナー』誌に載せようよ。センセイションものだよ、これは」

というと、

「いいか、エチェロー。日本、中国、そういった国ならかまわない。だけどアメリカ、それもハンドガンナーはサイアクだ。あんな人気の高い雑誌に記事が載ったらどうなると思う?」

と、マユをひそめた。

「そうだな、ポールのときは1日に50本くらいのデンワがきて、2週間たったら2年分の注文がたまっていたけど······」

「それがイカンというのだオレは。デンワ、デンワ、デンワ!仕事中に客からデンワ。またデンワ。いったいいつなら仕事ができるんだ!えっ?カスタムの注文というやつは、ハロー ボウランドさん、銃を1ダース造ってクダサイ。ではサヨーナラ。で済むのかい?君なんて、オレに頼むときはショップに上がりこんできて、たっぷり半日はグータラアータラしてウルサイこというじゃないか」

「シャシンのハナシをジムがしなければゼッタイ30分で終わるな」

「たった今でも、オレはヒジョウに忙しいのだぞ。とにかくこれ以上、オレを多忙にしないでくれよ······なっ?」

「あのね、ジム。聞いてくれ。これと同じような会話を5年ばかり前にもやったよね。あのときはワシもまったくそのとおりだと思ったので黙ったよ。本当の芸術家はマスコミなんかにシャシャリ出ないもんだ。今はカネをやたらに欲しがったり、有名になりたがったり、ムナクソ悪い奴が多い世の中だ。

でも、ワシはリポーターなんだ。ワシのやりたいことは世に知られていない価値ある人物や作品を探し出して発表することだ。良いモノは良い、ダメなモノはダメとはっきり自分の価値観を表現することなんだ。キャリフォルニアにボウランドという怪物が存在することをバーッとアメリカ中のガンナッツに知らせたいんだよ。

マスコミに載ったからって必ずしも品格が下がるとは限らないよ。本物はどこにどう出ても本物だ。ワシはどうしてもジムの作品をハンドガンナー誌に載せたい······。デンワなんて仕事中は切っておくか、アンサリングマシンにまかしてほっとけばいいんだよ。そーだろ?」

そんな話をしたら、ジムは黙って聞いていて何もいわずに帰り、ワシもそれ以後、話題にしなかった。

ジムからデンワがあったのは、その半年もあとのことだった。いよいよ新しいのが完成するから写真を撮らないかという。

「ウワー、ありがたい。で、ハンドガンナーの件はまだダメってわけだろーね」

「いや、かまわん。載せてくれ」

「えっ?なんでまたそうアッサリと?」

「君がオレのことを大切に思ってくれているのがわかってな」

「······トモダチじゃーん」

「ワインを飲むなっていったろ?きっぱりやめてんだぜ」

と、そんなことになって、ジムと一緒にハンドガンナーのキャメロンにロングコンプを見せた。

「ウオーッ、すげぇー!」

と感動するキャメロンに

「あのなー、なんでオレのカスタムがハンドガンナーに載ったことがないわけ?」

ジムはいきなりそんな言い方をした。

「えーっ、? 以前、頼んだらイヤだってゆーたじゃんかー」

「オレがフォーティファイヴをいじりだしたころ、今どきのガンスミスの大半はまだ小学生だったんだぜ。なのに、なんでオレは記事にナッテナインダよー」

「 だからー、自分で断ったじゃないかー。いったい何をいいだすんだ」

「そーんなの気が変わったよ」

と、そんな会話をおっぱじめた。

ヒトはジムのことを変人扱いするが、ワシは一度もそう思ったことがなく、ごく自然に生きているとしか見えん。でも、こうして見ると変人なのかなー?ワシもひょっとしたら変人だから、それが見えないのかもしれんな······。イーチはそんなことを思った。

「ロングコンプ」は「スティールセンセイション」という見出しでハンドガンナー誌6月号のトップ記事で発表され、大反響を巻き起こしている。

ジム ボウランドは名実ともに「巨匠」となったのだ。

━━コンバットマガジン別冊TOP GUNより━━











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